ピースクラフツSAGA 佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクト
つくり手

尾崎人形

神埼市尾崎地区に伝わる土笛の人形「尾崎人形」

後継者がいなかった人形づくりを受け継いで

「人形のはじまりは古く蒙古襲来の頃。この地に流れ着いた蒙古人が皿や茶碗、人形や土笛の作り方を教えた、というのが始まりといわれています」。
尾崎人形 10年前に高齢だった作り手・八谷さんから、「尾崎人形」づくりを引き継いだという神埼町尾崎の高柳政廣さん。「父が火鉢などを作っていましたので、焼物づくりを見て知っているだろう、お前しかいない、と言われ続けていましたが、教えてもらう前に八谷さんも亡くなってしまわれて。誰もやる人が見つからず、結局自分がやることになりました」。
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素朴な姿と絵付け、「テテップゥ」の音色も今に

尾崎人形は「鳩笛」「水鳥」「赤毛の子守り」の3種類が古くからの型で、「兵隊」など時代ごとに加わった型を含めて20種類ほど伝えらえています。いずれの人形も吹き口があり、吹くと「ポー」という素朴な音色が響く「土笛」です。粘土を型に入れ1日ほど乾かしたものを窯で焼き、絵付けを施して仕上げます。「最初のころは夜も寝ないで作り方を考えました。受け継いだ人形の型も古くなっていましたので、鳩笛を作っても音が出ない。鳩笛は方言で<テテップゥ>というのですが、音が身上。人形の種類によって音が違いますが、作り手は自分だけ。あちこちの土笛づくりの工房を見て学び、ようやく昔からの音を再現しました。大変でした」。
DSC09666A 高柳さんが作る尾崎人形で人気があるのは「かちがらす(カササギ)」。「テテップゥはこの地に流れついた蒙古人が故郷をしのび吹いたといわれがありますが、かちがらすは八谷さんから作り始めたもの。このかちがらすはカチ(勝ち)カチ(価値)と啼く鳥なので、縁起もよかでしょ。他所にはない人形だと思います」。

手に取り喜んでもらうことは私の「生きがい・やりがい」

「尾崎人形はよく<素朴>といわれますが、自分が作ったもんですから。やっぱり買う人が手に取って、<これは買ってよかった>という人がおられるというのが、うれしかことですねぇ。冬場と夏場と作ったものは音も微妙に違ったりしますが。それも土笛の味。最近は毎年干支をモチーフにした尾崎人形を作っています。毎年買っていただける方もおられます。喜んでもらうのが、私の生きがい・やりがい。最近は海外からも工房に来ていただいたり、嬉しいことです」。
「体の続く限りやっていきたいと思っていますが、今後は自分の次の後継者を。なかなか見つからんでですね―」。

尾崎人形
住所:神埼市神崎町尾崎546
TEL:0952-53-0091
営業時間:11:00~15:00

県内の伝統工芸制作者の課題や方向性は同じではありません。しかし、ひとつひとつ手作りで作られる工芸品を「より多くの人に知ってもらいたい、長く使ってもらいたい」という想いは一緒です。その想いをカタチとして届けるため、PWJは今後、さまざまな活動に着手します。佐賀の伝統工芸をまだ知らない人々へ向けての情報発信、チャネル開発、生活様式や生活者の意識の変化に対応した商品づくり。海外市場を見据えた商品開発や展示会の開催も計画中です。
次のステージを目指す伝統工芸のつくり手を支援することにより、PWJは佐賀県の地域振興に貢献したいと考えています。

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