ピースクラフツSAGA 佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクト
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2017年10月14日

ふるさと納税で集まった寄付金の使い途やその活動内容とは?

9月下旬~10月にかけて拡充する返礼品の数々
 
 ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2017年9月下旬から10月にかけてふるさと納税の返礼品を拡充します。なんと、総数256アイテムに。これまで取り扱っていた佐賀錦や肥前びーどろ、名尾手漉和紙、弓野人形、諸富家具、鍋島緞通などのほか、伊万里・有田焼、唐津焼、金工作品を新たに加え、佐賀県の伝統工芸品により親しんでもらえるラインナップとしました。
 ふるさと納税とは、自治体への寄付。さらに自治体だけでなく、応援したいNPO等を指定して寄付することもできます。例えばPWJを指定して佐賀県に寄付をすると、寄付額の95%が佐賀県からPWJに交付され、残りの5%が佐賀県の税収となります。PWJは佐賀県から受け取った交付金を、佐賀県の伝統工芸を支援する事業「ピースクラフツSAGA」の活動資金に活用しています。具体的には、以下の5つの使い途があります。1つ目は、返礼品に当てる伝統工芸品の購入。2つ目は、生活者のニーズ調査、市場調査。3つ目は、国内外デザイナーとの商品開発。4つ目は、国内外展示会・見本市への出展。5つ目は、新規販路開拓。

 1つ目の使い途が、冒頭で述べた返礼品の拡充です。返礼品は寄付へのお礼であると同時に、ピースクラフツSAGAが支援する佐賀県の伝統工芸を多くの人々に知ってもらうための機会ととらえています。伝統工芸品に実際に手に触れ、暮らしの中で使ってもらうことで、その愛好者が増えることを期待しています。また、PWJが工芸事業者から伝統工芸品を購入することは、工芸事業者への直接的な支援にもつながります。
 2つ目、3つ目、4つ目の使い途については、2017年5月に仏パリで開催された国際工芸フェア「レベラション2017」への出展事業を行いました。まず、PWJはフランス人コーディネーターやデザイナーらと、佐賀県下の工芸事業者7組とをつなぎ、出展に向けた商品開発に取り組みました。2017年2月にはフランスからコーディネーターやデザイナーらを招聘し、工芸事業者7組の工房や工場を案内し、ものづくりの現場を視察してもらいました。彼らは伝統的な素材や技法に着目し、それらを進化させるデザイン提案やアドバイスを工芸事業者7組それぞれに行いました。工芸事業者7組はこれに応えるため、自身の表現力の幅を広げて、新しいものづくりに果敢に挑戦。その結果、これまでにはない斬新な商品をつくり上げることができました。
 
 
工芸事業者の工房を訪れたデザイナーのサラ・ルセールさん(左)とアーサー・ライトナーさん(右)

工芸事業者の工房を訪れたデザイナーのサラ・ルセールさん(左)とアーサー・ライトナーさん(右)

 
 レベラションは、世界のファインクラフトが一堂に集う国際工芸フェアです。ファインクラフトとは、高い創造性があり、アートに匹敵するほどの価値を持つ工芸品のこと。今、フランスでは、素材や技法に向き合う工芸作家や職人がより高い創造性を目指す動きが生まれており、そんな彼らがつくる作品をファインクラフトと位置づけています。レベラションの主催者が推進するファインクラフト運動は、「工芸最先端宣言!」を掲げるピースクラフツSAGAの精神にまさに通じるものです。
 
 レベラション2017の開催中、ピースクラフツSAGAの展示ブースには多くのバイヤーや収集家が連日訪れ、作品に関心を寄せ、商談を繰り返しました。工芸事業者7組がこれまでに培ってきた実力が認められ、出品した商品がファインクラフトとして高く評価されたのです。また、開催終了後は、コーディネーターが運営するパリ市内のギャラリーに商品を移し、引き続き、展示販売を行いました。そこでも多くのバイヤーや収集家から忌憚のない意見をもらい、その市場調査結果を工芸事業者7組へフィードバックすることができました。 
 
レベラション2017のピースクラフツSAGAの展示ブースで商品に見惚れる来場者

レベラション2017のピースクラフツSAGAの展示ブースで商品に見惚れる来場者 写真:Julie Rousse

 

 5つ目の使い途については、今後の課題としています。また、こうした活動内容を当ウェブサイトやフェイスブック、インスタグラムで発信したり、テレビや新聞、雑誌などにも取り上げてもらったりすることで、工芸事業者の挑戦を広く伝えています。PWJはこれからも佐賀県の伝統工芸を支援する活動に邁進していきます。

 

 
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(杉江あこ/意と匠研究所)

県内の伝統工芸制作者の課題や方向性は同じではありません。しかし、ひとつひとつ手作りで作られる工芸品を「より多くの人に知ってもらいたい、長く使ってもらいたい」という想いは一緒です。その想いをカタチとして届けるため、PWJは今後、さまざまな活動に着手します。佐賀の伝統工芸をまだ知らない人々へ向けての情報発信、チャネル開発、生活様式や生活者の意識の変化に対応した商品づくり。海外市場を見据えた商品開発や展示会の開催も計画中です。
次のステージを目指す伝統工芸のつくり手を支援することにより、PWJは佐賀県の地域振興に貢献したいと考えています。

ふるさと納税で伝統工芸を支援