「ピースクラフツSAGA」は認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が実施する佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクトです。

伝統工芸品と私

唐津焼の中でも珍しい発色の釉薬に引かれた岡本作礼さんの作品

唐津焼を心から愛するデザインプロデューサー・ジャーナリストの下川一哉。ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品セレクトも担当する下川が、最近手に入れた岡本作礼さんの作品「黒高麗の縁飾り皿」の魅力を語ります。

岡本作礼さんの作品が穏やかな時間をもたらす

岡本作礼さんの作品「黒高麗の縁飾り皿」は、私が最近使う頻度の高い皿です。唐津焼にしては珍しい発色の釉薬でしたが、両手で抱えてみると、ちょうど良いサイズ。両手に持って思案していると、盛りたいものが次々に浮かんできました。日が暮れる前、白ワインやロゼのボトルを開けてくつろぎたい時に、カットフルーツを盛ってみました。面倒だったので、スーパーマーケットで売っているパック入りのカットフルーツを買ってきて、盛るだけの手抜きです。しかしどうでしょう。ガラスや白磁の器に盛ったのでは見ることのできない、優しく落ち着いた雰囲気がテーブルに現れました。フルーツたちも目を閉じて静かに横たわっているかのようです。

唐津焼は現代の暮らしの中でこそ輝く

唐津焼は、古めかしく、現代の暮らしの中では使いにくい陶器でしょうか。いえいえ、そんなことはありません。選び方や使い方によって、現代の暮らしの中でこそ輝き、価値を十分に発揮してくれます。脇役に徹した器が唐津焼に多く見受けられるのは、暮らしに寄り沿うためなのでしょう。少々思い切った使い方でも、食べ物や飲み物をすんなりと受け入れてくれます。だからこそ愛でずにはいられません。カップ、湯のみ、酒杯など、飲み物の器にも唐津焼は欠かせません。小指で高台に触れ、土味のざらつきを楽しめる点も魅力。ふるさと納税の返礼品でもさまざま唐津焼をラインアップしています。

(文・写真:下川一哉/意と匠研究所)

公開日:2018年2月28日
 
更新日:2020年5月7日

下川一哉(しもかわ・かずや)

デザインプロデューサー・ジャーナリスト

1963年、佐賀県生まれ。1988年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。同年、日経マグロウヒル(現・日経BP社)入社。1994年に日経デザイン編集に配属。2008年より編集長。2014年3月に日経BP社を退社、4月に意と匠研究所を設立。2014年~2016年、佐賀県有田焼創業400年事業デザインディレクター。2016年から、LEXUS NEW TAKUMI PROJECTサポートメンバー。

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