ピースクラフツSAGA 佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクト
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2018年8月3日

毎日の晩酌は、酒器づくり最後の確認作業

百田さんが製作した「in blue暁」の定番商品、-彩-ぐい呑み、青白磁片口、青白磁皿。このように違う模様のぐい呑みと片口を組み合わせることもよくある。青白磁皿は長皿の形状なのでつまみを少しずつ盛るのに向いている

(写真すべて/藤本幸一郎)


 毎日、晩酌をするんですが、自分がつくった酒器をよく使います。私はいろいろなお酒を飲みたい質なので、ビール、日本酒、焼酎、ワインなどを少しずつ味わいます。ビールや焼酎水割り、ワインはグラスで飲むので、自分がつくった酒器を使うのは日本酒を飲むとき。その日によって選ぶ酒器はまちまちで、それが器づくりの最後の確認作業だと思っています。口当たり、手に持ったときの感触、サイズ感などを確認します。ただ男性の手と女性の手は異なるので、妻にも持ってもらって感想を聞きます。こうした確認作業が1日の終わりの楽しみであり、次作をどうしようかと想像する時間でもあります。

 この--ぐい呑みは筒形に近い形状をしていて、中に香りを封じ込めるため、香りも一緒に楽しむお酒に向いています。私はぐい呑みを比較的小さめにつくるんです。それはお酒の楽しみ方の1つとして、片口で注ぐのが好きというお客様が結構いらっしゃるので、注ぐ回数を増やすため。ぐい呑みと合わせられる片口もよくつくります。片口は注ぎやすさが問われるものなので、使いやすさと外観の美しさとのバランスを図ることが難しいですね。皿にはちょこちょことつまみを盛りました。いつも家族と一緒に夕飯を囲むのですが、子供たちとの食事のほか、私たち夫婦にはこんな風に酒のつまみが追加されます。これからも楽しい気持ちになれる酒器をつくりたいですね。そのために自分でも試して、日々、追求しているところです(談)。

(杉江あこ/意と匠研究所)

 

 

百田家の先祖は鍋島藩御用窯で働いていた職人とか。これは江戸末期の作品で、工房の一角に飾られている。「いま見ると、土の素朴さや絵の力強さを感じる。先祖がつくった作品をそばに置いて、自分のルーツを確かながら、エネルギーをもらっている」と百田さん

 

百田暁生(ももた・あきお)
陶芸家
1971年佐賀県・有田町生まれ。1991年副島四郎氏に師事。1994年奥川俊右衛門氏に師事。1995年独立。2015年新工房・ギャラリー「in blue 暁」設立。主な入賞・入選歴に、日本伝統工芸展、智美術館「茶の湯の現代-用と形-」展、日本陶芸展、現代茶陶展、田部美術館「茶の湯の造形展」、九州山口陶磁展がある。

県内の伝統工芸制作者の課題や方向性は同じではありません。しかし、ひとつひとつ手作りで作られる工芸品を「より多くの人に知ってもらいたい、長く使ってもらいたい」という想いは一緒です。その想いをカタチとして届けるため、PWJは今後、さまざまな活動に着手します。佐賀の伝統工芸をまだ知らない人々へ向けての情報発信、チャネル開発、生活様式や生活者の意識の変化に対応した商品づくり。海外市場を見据えた商品開発や展示会の開催も計画中です。
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