「ピースクラフツSAGA」は認定NPOピースウィンズ・ジャパンが実施する佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクトです。

伝統工芸品と私

百田暁生さんの晩酌は、有田焼の酒器づくり最後の確認作業

百田暁生さんは、ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品の中でも人気の高い有田焼の陶芸家です。1日の終わりの楽しみが家族で囲む食事と晩酌、そして酒器づくりの確認作業という陶芸家らしいお話を伺いました。

in blue 暁の酒器で日本酒を楽しむ

私は晩酌をする時に、自分がつくったin blue 暁の有田焼の酒器をよく使います。ビール、日本酒、焼酎、ワインを毎晩少しずつ味わいますが、自分がつくった酒器を使うのは日本酒を飲む時。日によって選ぶ酒器はまちまちで、実際に使うことが酒器づくりの最後の確認作業だと思っています。確認する点は、口当たり、手に持った時の感触、サイズ感など。お酒の楽しみ方のひとつとして、片口で注ぐ回数を増やすため、私はぐい呑みを比較的小さめにつくるようにしています。ただ男性の手と女性の手は異なるので、妻にも持ってもらって感想を聞きますね。晩酌が1日の終わりの楽しみであり、次作をどうしようかと想像する時間でもあります。

百田暁生さんの先祖は有田焼の歴史を支えた職人

ぐい呑みはふるさと納税の返礼品にも選ばれています。ぐい呑みと一緒に、片口も晩酌で確認します。片口は注ぎやすさが問われるものなので、使いやすさと外観の美しさとのバランスを図ることが難しいですね。ちなみに昔、百田家は有田焼の歴史の中で重要な位置を占めていた鍋島藩御用窯であったと聞きました。江戸時代末期に先祖がつくったとされる作品をもらい受け、工房の一角に飾っています。今見ると、土の素朴さや絵の力強さを感じられます。先祖の作品から良いエネルギーをもらいながら、自分のルーツを確かめては作陶に邁進しています(談)。

(文:杉江あこ/意と匠研究所、写真:藤本幸一郎)

公開日:2018年8月3日
 
更新日:2020年1月31日

百田暁生(ももた・あきお)

陶芸家

1971年佐賀県・有田町生まれ。1991年副島四郎氏に師事。1994年奥川俊右衛門氏に師事。1995年独立。2015年新工房・ギャラリー「in blue 暁」設立。主な入賞・入選歴に、日本伝統工芸展、智美術館「茶の湯の現代-用と形-」展、日本陶芸展、現代茶陶展、田部美術館「茶の湯の造形展」、九州山口陶磁展がある。