「ピースクラフツSAGA」は認定NPOピースウィンズ・ジャパンが実施する佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクトです。

伝統工芸品と私

精華窯の川崎精一さんの家でも活躍する有田焼「陰刻」の器

精華窯は独自の彫りの技法「陰刻」を得意とする、陶芸家の川崎精一さんが営む有田焼の窯元です。ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品でもお馴染みの器を、川崎さんは家庭でも使用しているという温かいお話を伺いました。

ふるさと納税でお馴染みの三つ脚鉢には主菜や果物を

現在、有田焼の生地製造業を営む両親と、妻と子ども2人という2世帯で暮らしています。毎日、家族全員がそろって食べる夕飯時に、自分がつくった精華窯の器を頻繁に使います。ふるさと納税の返礼品にも選ばれている「カサブランカ陰刻三つ脚鉢」には酢豚などの主菜を盛りますし、小さい皿や鉢にはポテトサラダや冷奴などの副菜を盛ります。「緊張感があって普段の器には使いづらい」といった評判もたまに聞きますが、自分にとってはまったくそんなことなく、気軽に使っています 。高校生と小学生の子どもたちも「カサブランカ陰刻三つ脚鉢」には果物をよく盛って食べています。

精華窯の川崎精一さん自身が試作品をまずテスト

いつも出来上がった試作品は、最初に自分で使ってテストをし、使い心地が良ければ商品にします。自分で良いと思わなければ、皆さんにおすすめはできません。食事をつくるのは母と妻なので、2人の意見もよく参考にします。「これは大きい」とか「小さい」とか「重い」とか…。特に両親は同じ有田焼の仕事をしているので、手厳しいですね。わが家の食器棚は、自分がつくった商品と、両親がいろいろな窯元から仕事上の付き合いで購入した器とで占められています。ずっと使い続けている器とそうでない器とに分かれますが、前者は比較的、小さい器が多いような気がします。扱いやすいからでしょうか(談)。

(文:杉江あこ/意と匠研究所、写真:藤本幸一郎)

公開日:2018年10月16日
 
更新日:2020年1月31日

川崎精一(かわさき・せいいち)

陶芸家

1975年佐賀県・有田町生まれ。1996年佐賀県立有田窯業大学校卒業。1997年佐賀美術協会展奨励賞受賞。1999年精華窯を築窯。2000年日本伝統工芸展入賞、佐賀美術協会展奨励賞受賞。2001年西部工芸展入賞。2002年九州山口陶磁展第2部産業陶磁器第3位。2004年有田陶芸協会ドイツ展出展。2005年日本工芸会正会員認定、一水会展一水会賞受賞、ほか受賞多数。