ピースクラフツSAGA 佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクト
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2018年10月16日

主菜も副菜も果物も…わが家で大活躍する「陰刻」の器

川崎さんの代表作「カサブランカ陰刻三つ脚鉢」に巨峰が映える

(写真すべて/藤本幸一郎)


 現在、生地製造業を営む両親と、妻と子ども2人という2世帯で暮らしています。毎日、家族全員がそろって夕飯を食べるのですが、その時に私がつくった器を頻繁に使います。「カサブランカ陰刻三つ脚鉢」には酢豚などの主菜を盛りますし、小さい皿や鉢にはポテトサラダや冷奴などの副菜を盛ります。私の商品について「緊張感があって普段の器には使いづらい」といった声もたまに聞きますが、自分にとってはまったくそんなことなく、気軽にどんどん使ってみようと思います。

 

 いつも出来上がった試作品は、やはり最初に自分で使ってみて、テストをしますね。それで使い心地が良ければ商品にします。まず自分で良いと思わなければ、皆さんにおすすめはできません。食事をつくるのは母と妻なので、2人の意見もよく参考にします。「これは大きい」とか「小さい」とか「重い」とか……。特に両親は同じ焼物の仕事をしているので、手厳しいですね。わが家の食器棚は、私がつくった器と、両親がいろいろな窯元から仕事上の付き合いで購入した器とで占められています。これらはずっと使い続けている器と、そうでない器とに分かれますが、前者は比較的、小さい器が多いような気がします。扱いやすいからでしょうか。中学生と小学生の子どもたちも、私がつくった器を使ってくれています。「カサブランカ陰刻三つ脚鉢」には果物をよく盛って食べています。今の季節はブドウの出番が多いですね(談)。

(杉江あこ/意と匠研究所)

 

小さいサイズの「楓陰刻皿」には副菜を盛ることが多いと言う

 

 

 


川崎精一(かわさき・せいいち)
1975年佐賀県・有田町生まれ。1996年佐賀県立有田窯業大学校卒業。1997年佐賀美術協会展奨励賞受賞。1999年精華窯を築窯。2000年日本伝統工芸展入賞、佐賀美術協会展奨励賞受賞。2001年西部工芸展入賞。2002年九州山口陶磁展第2部産業陶磁器第3位。2004年有田陶芸協会ドイツ展出展。2005年日本工芸会正会員認定、一水会展一水会賞受賞、ほか受賞多数。

県内の伝統工芸制作者の課題や方向性は同じではありません。しかし、ひとつひとつ手作りで作られる工芸品を「より多くの人に知ってもらいたい、長く使ってもらいたい」という想いは一緒です。その想いをカタチとして届けるため、PWJは今後、さまざまな活動に着手します。佐賀の伝統工芸をまだ知らない人々へ向けての情報発信、チャネル開発、生活様式や生活者の意識の変化に対応した商品づくり。海外市場を見据えた商品開発や展示会の開催も計画中です。
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