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2018年11月20日

夫婦でお茶を点てていただく至福の時間に井戸茶碗

梶原靖元さんの唐津焼の井戸茶碗でお茶を点て、瑠璃釉の皿にお菓子を盛って

(写真すべて/藤本幸一郎)


 この唐津焼の井戸茶碗は、私が参加する「古唐津研究交流会」で知り合った、唐津焼作家の梶原靖元さんの作品です。同会は陶芸作家や学術研究者、マニアらが集まり、盗掘された窯跡の埋め戻しをしたり、陶片を元に当時の作陶の術を読み解いたりする活動をしています。そこで梶原さんと仲良くなり、個人的に古唐津コレクションを見せてもらったり、窯出しの手伝いに行ったりと交流を深めてきました。これは井戸茶碗らしく高台にかいらぎ(釉薬が縮れた状態)が見られ、とても風格があって良いですよね。私は若い頃に茶道を習っていたことがあるので、時々、お茶を点てて飲むのが好きなんです。例えばお得意様がわざわざ菓子折りを持って来店された時など、商売がうまくいって気分も上がるので、いただいたお菓子をお供に「ちょっとお茶でも飲もうか」と、夫婦でお茶を点てて飲むことがあります。その時に私は唐津焼の井戸茶碗を、妻は同じ梶原さん作の「粉引茶盌」使います。

 普段、私は梶原さんの作品を食器棚の奥の方に隠しているのですが、それでも時々、妻が副菜を盛って、食卓に出すことがあります。もう1つ、梶原さん作の「高麗白瓷小皿」は8000円で購入したのですが、妻がすぐに割ってしまい、金継ぎに出しました。見事に金継ぎされて戻ってきたのは良いのですが、金継ぎ代金になんと2万円もかかってしまったというオチが付きました(談)。

(杉江あこ/意と匠研究所)

 

井戸茶碗

李朝時代につくられた高麗茶碗の一種で、16世紀頃に朝鮮半島から日本に伝来し、茶人が茶の湯で好んで用いた。侘びた風情をし、枇杷色の肌、かいらぎ、竹節高台(竹の節を切り取ったような形の高台)などを特徴とする。以後、井戸茶碗は様式化し、日本のさまざまな焼物産地でつくられている。

 

 

 

梶原靖元さんの「粉引茶盌」と、金継ぎされた「高麗白瓷小皿」

 

 

 


坂本達也(さかもと・たつや)
1972年佐賀県有田町生まれ。1990年佐賀県立有田工業高校デザイン科卒業。1995年佐賀県立有田窯業大学校にて円田義行に師事し絵付研修。1996年佐賀県立有田窯業大学校にて照井一玄に師事しロクロ研修。1997年梶原茂正氏に師事。1999年独立。2001年九州山口陶磁展第1位(経済産業大臣賞)、佐賀県美術展覧会入選。2002年西日本陶芸美術展入選、佐賀美術協会展入選(奨励賞)ほか入賞多数。2003年佐賀県立有田窯業大学校にて奥川俊右衛門に師事し特別ロクロ研修。

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