「ピースクラフツSAGA」は認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が実施する佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクトです。

伝統工芸品と私

清六窯の中村清吾さんの家の食卓に並ぶのは祖父、中村清六さんの形見

清六窯の中村清吾さんの家庭には、祖父の中村清六さんが遺してくれた器の数々があります。中にはピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税の返礼品でもお馴染みの定番商品も。中村家では毎日どんな風に使われているのか、お話を伺いました。

清六窯の定番商品は家族皆がつい使いたくなる

「白磁竹彫一方押皿」は祖父の中村清六が開発した、清六窯の定番商品です。現在、私が引き継いで製作しており、ふるさと納税の返礼品にも選ばれています。実はわが家でも愛用している祖父の形見の1つ。ロクロ成形をした後、生地がまだ柔らかいうちに変形を加える技法は江戸時代からあり、祖父は生地の端を指で押してめくれさせる応用技法を思いついたようです。内と外とのつながりが表現されていて、私はとても良いなと思います。一方押しを施した部分は手掛けやスプーン返しにもなり、意外に機能性があるんです。妻は「華やかさをプラスしてくれる」と絶賛。何かしらの魅力に引かれて、家族皆が使いたい気持ちになるんですよね。

中村清六さんの趣味作品は独特の雰囲気をたたえる

清六窯の商品ではないんですが、祖父が趣味でつくった「ワインカップ」も形見の1つ。ワイングラスに比べると脚がぽってりとしているのですが、独特の雰囲気があって気に入っています。ただしワインではなく、もっぱら私がお茶を飲むのに使っていますが。祖父がロクロ成形をして、母が絵付をした「三角湯飲み」もわが家の人気者。緩やかな三角柱の形状で手に持ちやすく、湯飲みにちょうどいいサイズなので、いつも家族で取り合いになっています(談)。

(文:杉江あこ/意と匠研究所、写真:藤本幸一郎)

公開日:2018年12月17日
 
更新日:2020年1月31日

中村清吾(なかむら・せいご)

陶芸家

1975年佐賀県重要無形文化財陶芸白磁保持者の中村清六の孫として、佐賀県・有田町に生まれる。1998年九州大学を卒業し、清六窯にて修行。2004年有田陶芸協会会員認定。2005年日本工芸会正会員認定。2010年佐賀銀行文化財新人賞受賞。2011年九州山口陶磁展佐賀新聞社賞受賞、西部伝統工芸展入選、日本伝統工芸展入選。2013年九州山口陶磁展文部科学大臣賞受賞、日本伝統工芸展東京都知事賞受賞。2017年田部美術館茶の湯の造形展奨励賞受賞。

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