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2018年12月17日

毎日、わが家の食卓に並ぶのは祖父の形見の数々

中村清六さん作の「白磁竹彫一方押皿」は大小あり、日々、主菜や副菜を盛る際に使われている

(写真すべて/藤本幸一郎)


 これは祖父である中村清六が開発し、清六窯の定番商品として遺してくれた「白磁竹彫一方押皿」です。現在、私が引き継いで製作し販売しています。実はわが家でも愛用している皿で、わが家に置いてあるのはまさに祖父がつくった形見。ロクロ成形をした後、生地がまだ柔らかいうちに変形を加える技法は江戸時代からあり、祖父はそれを応用して、生地の端を指で押してめくれさせることを思いついたようです。実際に自分でつくる時は、反りの加減が難しいのですが…。これはロクロ成形だからこそできる技法で、内と外とのつながりが表現されていて、私はとても良いなと思います。収納の際に積み重ねはしづらいのですが、一方押し(いっぽうおし)を施した部分は手掛けやスプーン返しにもなり、意外に機能性があるんです。妻は「白磁なのでどんな料理も受け入れてくれ、一方押しの部分が華やかさをプラスしてくれる」と絶賛しています。何かしらの魅力に惹かれて、家族皆がこの皿を使いたい気持ちになるんですよね。

 また、祖父が趣味でつくった「ワインカップ」も形見の1つ。ワイングラスに比べると脚がぽってりとしているのですが、そこに独特の雰囲気があって気に入っています。ただしワインではなく、もっぱら私がお茶を飲むのに使っていますが。祖父がロクロ成形をして、母が絵付をした「三角湯飲み」もわが家の人気者。緩やかな三角柱の形状で手に持ちやすく、湯飲みにちょうどいいサイズなので、いつも家族で取り合いになっています(談)。

(杉江あこ/意と匠研究所)

 

 

 

左が白磁の「ワインカップ」、右が染付の「三角湯飲み」

左が白磁の「ワインカップ」、右が染付の「三角湯飲み」

 

 

 

中村清吾
中村清吾(なかむら・せいご)
1975年佐賀県重要無形文化財陶芸白磁保持者の中村清六の孫として、佐賀県・有田町に生まれる。1998年九州大学を卒業し、清六窯にて修行。2004年有田陶芸協会会員認定。2005年日本工芸会正会員認定。2010年佐賀銀行文化財新人賞受賞。2011年九州山口陶磁展佐賀新聞社賞受賞、西部伝統工芸展入選、日本伝統工芸展入選。2013年九州山口陶磁展文部科学大臣賞受賞、日本伝統工芸展東京都知事賞受賞。2017年田部美術館茶の湯の造形展奨励賞受賞。

県内の伝統工芸制作者の課題や方向性は同じではありません。しかし、ひとつひとつ手作りで作られる工芸品を「より多くの人に知ってもらいたい、長く使ってもらいたい」という想いは一緒です。その想いをカタチとして届けるため、PWJは今後、さまざまな活動に着手します。佐賀の伝統工芸をまだ知らない人々へ向けての情報発信、チャネル開発、生活様式や生活者の意識の変化に対応した商品づくり。海外市場を見据えた商品開発や展示会の開催も計画中です。
次のステージを目指す伝統工芸のつくり手を支援することにより、PWJは佐賀県の地域振興に貢献したいと考えています。

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