「ピースクラフツSAGA」は認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が実施する佐賀の伝統工芸を支援するプロジェクトです。
活動レポート
2022年7月21日

2022年度伝統工芸助成事業の視察を行いました!

公益財団法人佐賀未来創造基金との共同事業として行う、2022年度佐賀伝統工芸助成事業。

今年の助成事業者は7事業者で、5月からの事業を対象としています。

事業の内容や現状について詳しく伺うため審査員の方々と視察を行いました。

 


閑古錐窯/武雄焼

助成2022-1_武雄焼_閑古錐窯

取り組み:電気窯の補修並びに棚板のクリーニング

玄釉という金属的な黒い釉薬を使った作品を多くつくられる閑古錐窯さん。その玄釉には銅成分が多く含まれ、焼成時に揮発してしまうため周りに成分が飛んでしまい、窯がかなり汚れてしまっているとのこと。他の商品への色飛びもおき、悪影響が出ることが増えてきたそうです。そこで、玄釉専用の窯と、それ以外の商品の窯で分けて今後製作活動ができるよう、現在は傷みがひどく素焼き専用としていた電気窯の補修に活用されます。

 


康雲窯/武雄焼

助成2022_武雄焼_康雲窯

取り組み:灯油窯の設置導入

親子2代で陶器をつくられる康雲窯さん。お父様の山口康雄さんは、ご実家も窯元で、かめや壺などをつくられていたそうですが、独立後は食器を中心とした日常の器をつくられています。助成金は、最近体調を崩されたという康雄さんが窯焚きの際に体の負担も少なくなるよう、また薪窯より薪の量も少量で済み、小回りもきく灯油窯の購入に活用されます。今まで薪窯・ガス窯・電気窯で焼成を行われていましたが、また違った味わいの作品ができるのが楽しみです。

 


副島硝子工業/肥前びーどろ

助成2022_肥前びーどろ_副島硝子

取り組み:新商品開発光彩硝子の更なる改良・改善
佐賀で唯一肥前びーどろを製作される副島硝子工業さん。2020年に特許出願で支援させていただいた、光彩ガラスの商品開発に活用されます。すでに商品化されているアクセサリーは好評とのことで、さらなる商品開発を構想中です。視察の際は、光彩ガラスの製作で一部県外の企業に外注している処理を、「県内の会社でも出来るところがあるのでは」と、その会社の紹介を行うなど、審査員の方ならではのアドバイスもありました。

 


名尾手すき和紙/名尾手漉き和紙

助成2022_名尾手すき和紙

取り組み:簾桁(すげた/紙漉き道具)製作

300年の歴史を持ち、最盛期は100軒以上あった名尾手漉き和紙の工房。現在は名尾手すき和紙さんが唯一、その技術を継承しています。この助成では、最近需要が増えているという壁紙製作用の紙漉き道具に活用されます。今までは既存のものを使われていましたが、厚みのある和紙用ではないため消耗が激しく、積極的な企画提案もできなかったそうです。専用の道具を製作することで、壁紙の提案もでき、商品の幅も広がるとのことでした。今後の展開が楽しみです。211

 


鍋島虎仙窯/伊万里焼

助成2022_伊万里焼_鍋島虎仙窯

取り組み:窯の補修

2017年に「鍋島虎仙窯」のブランドを立ち上げ、順調に売り上げを伸ばしてきた虎仙窯さん。伊万里の大川内山で採れる鍋島青磁を濃淡で仕上げた商品が魅力です。売上増とともに、さらなる増産体制が必要になり、この助成では約15年使用していなかったという大きな窯の修理に活用されます。ブランド力強化のため、HPもリニューアル中の虎仙窯さん。「鍋島文化の確立」というビジョンの下、今後のプランを語ってくださいました。

 


廣田昇治さん/生地製造

助成2022_廣田さん

取り組み:薪窯の修復と焼成

生地製造をメインで行っている廣田昇治さん。圧力鋳込み成形など、型を使っての生地製造事業者が多い中、有田で数少ない、ろくろを使っての生地屋さんです。今後は自分の作品もつくっていきたいと、お持ちの薪窯の修復に活用されます。ご自宅は、もともとは唐津焼をつくられていた大家さんの物件で、薪窯は修理すれば十分使えるとのこと。磁器をつくる廣田さん、磁器はガス窯や電気窯を利用される方が多い中、薪窯での挑戦です。

 


文山製陶/有田焼

助成2022_有田焼_文山窯

取り組み:新商品開発

「セラミックミミックファブリック」という布のような器をつくられる文山窯さん。伝統技法「てびねり」を現代に進化させたもので、リネンの布を使って生地を「たたきしめる」ことで布のシワ感を表現しています。「大量生産の時代だからこそ」 と手仕事にこだわって作陶されています。助成では、売り上げの大きな割合を占めるという中国向け商品の開発に活用されます。視察では、有田唯一のトンネル窯に審査員の方々も興味津々で見学されていました。